理事長エッセイの最近記事

IDEO創始者のトムケリー氏、そして氏に触発されてユーザーイノベーションを国をあげて実践するデンマーク政府のキーマンが大阪に。
ものづくりの都・大阪モデルのユーザーイノベーションの可能性を語り合います。
※ 理事長の岡田智博がトムケリー氏のコーディネーションを担当しました

世界ものづくりサミット2010

大阪市では、製品やサービスの利用者であるユーザーがものづくり企業の製品開発過程に参加し、ものづくり企業と共にユーザーの求める製品づくりに繋げていく 「ユーザー・イノベーション」をテーマとした「世界ものづくりサミット2010」を平成22年2月2日(火)に開催します。
本サミットには、行政が中心となってユーザー・イノベーションに取り組んでいるデンマークをはじめとした国内外の企業経営者や大学関係者等を招いて、国際会議及びシンポジウムを開催し、 ユーザー・イノベーションを取り入れた経営に関する成功事例や手法等についての意見交換や紹介を行います。
大阪市では、高度な技術を有した産業が集積する大阪において、「産学官+民」による売れるものづくりが大阪経済の活性化に繋がるよう、国際的なビジネスネットワーク の形成を促進し、国内外から様々な人達が集まる拠点づくりに向けた活発な取り組みを推進してまいります。
ものづくり企業の皆様やものづくり企業と関係を有する幅広い方々のご参加をお待ちしております。

○名 称:世界ものづくりサミット2010 シンポジウム
       -ユーザー・イノベーション イノベーションにおけるユーザーの役割-
○日 時:平成22年2月2日(火)14:30~17:00(開場14:00)
○会 場:大阪市中央公会堂 中集会室(大阪市北区中之島1-1-27)
○主 催:大阪市
※参加費は無料です。定員200名。

○プログラム
■あいさつ 主催者(大阪市)より
■開会に当たって 大阪大学総長 鷲田 清一
■基調講演・事例紹介
  トム・ケリー(IDEO社ゼネラルマネージャー)
  モーテン・ビズベアグ(デンマーク産業・建築局 産業開発センター課長)
  (事例紹介については、当初予定していたビーターセン産業・建築局局次長から、ビズベアグ課長に変更されました。)
■パネルディスカッション
 (パネリスト)
  トム・ケリー(IDEO社 ゼネラルマネージャー) 
  アレン・マイナー(サンブリッジ パートナー社 ゼネラルパートナー) 
  イエペ・スプーレ・ニールセン(デンマーク アレクサンドラ研究所プロジェクトリーダー) 
  浅田 稔(大阪大学大学院工学研究科教授)
  森栗 茂一(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター教授)
 (モデレータ)
  保志場 国夫(三菱UFJリサーチ&コンサルティング部長兼主任研究員)

※上記内容は現時点での予定です。発表者の都合等により、プログラムの一部を変更する場合があることを御承知置きください。

 

monodukuriOSAKA2010.jpg申し込み方法
事務局を担当する三菱UFJリサーチ&コンサルティングのサイトより

以下のチラシをご参照の上、必要事項をお申し込みフォームまたはFAXにてご連絡ください。なお、お申し込みフォームは、株式会社パイプドビッツのシステム「スパイラル」を利用しています。

シンポジウムチラシ(pdfファイル)
 
お申し込みフォーム(株式会社パイプドビッツの記入ページへのリンク)
 
本件の事務局:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
  研究開発第2部 担当:美濃地・本山
  電話:06-6208-1244  FAX:06-6208-1245

NIKE id generator ライゾマティックス GINGA 齋藤精一+平野治朗

デジタル&インタラクティブ広告における
現場の頂点が千住に集結!

★ 東京藝術大学「千住 Art Path 2009」特別企画

「最先端の広告とアートの関係をお話しましょう」
CREATIVE TALK & DEMONSTRATION 開催

東京藝術大学千住校地のオープンキャンパス「千住 Art Path 2009」の開催にあわせて12月19日(土曜日)午後4時よりメディアアートやインタラクティブデザインを取り入れた広告で世界の賞を独占し続けている東京の広告クリエーターたちによるトーク&デモンストレーションを開催します。

東京だからこそ生まれる世界が注目する新たなコミュニケーションの源泉に迫る機会、特別デモンストレーションとして、CMやテレビ番組、映画の音楽づくりで活躍する福岡ユタカによるショートライブもスペシャルで開催するプログラムです。

コミュニケーション技術のさらなる進歩が生み出すクリエイティブの最前線を北千住にて実感してください。

○ 開催日時 12/19(土) 16:00-19:00
○ 入場無料(定員100名・先着順)
○ 会場 = 東京藝術大学千住キャンパス3FスタジオA
● 「北千住駅」下車徒歩約5分(東京メトロ千代田線1版出口が最短です)
● 地図URL = http://www.geidai.ac.jp/access/senju.html
○ 千住 Art Path 公式サイト = http://www.senjuartpath.com/

■ 出演
岡田 行正 puzzle代表取締役 http://www.puzzle-inc.jp/ = 広告プロデューサー(CM/デジタル/インタラクティブ)
齋藤 精一 ライゾマティックス代表取締役 http://rhizomatiks.com/ = インタラクティブクリエイティブディレクター
佐々木 淳 葵デジタルクリエーション プロデューサー http://www.aoi-dc.com/ (CM/デジタル/インタラクティブ)
福岡 ユタカ ミュージシャン http://www.lares.dti.ne.jp/~yenchang/
熊倉 純子 東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科准教授(文化政策・芸術運営)

□ デジタルモデレーション
川井 拓也 コミュニケーションプランナー http://www.himanainu.jp/
当日はTwitterや USTREAM でトークをモデレート、場を一層熱くします。
Twitterタグ= #kitasenju

□ 司会
岡田 智博 東京藝術大学大学音楽研究科音楽文化学専攻芸術環境領域博士課程 http://creativecluster.jp/

○ お問い合わせ
東京藝術大学千住キャンパス(音楽環境創造科教員室)
電話 050-5525-2742 E-mail : senjuartpath2009@gmail.com

○ 主催 「千住 Art Path 2009」実行委員会

写真左=NIKE id generator ライゾマティックス
説明:NIKE福岡のオープニングと大阪のNIKE storeで実施したNIKE IDのインタラクティブシステム。システム概要としては、いままであまり日本になじみの無かったID(カスタムして作れる靴等のNIKEの商品)を分りやすく説明する為に作成した筐体である。その人の写真を撮る事で自動的に靴をその人の着ている服から創りだし、ノベルティーとして同じモデルのステッカーがもらえるようになっている。
参考: http://www.youtube.com/watch?v=Q_tkYCtIMOc

写真右=GINGA(齋藤精一)
説明:平野治朗と行っていたアートユニット WIHTEBASEの作品。越後妻有トリエンナーレ等、様々なアートイベントでインスタレーションを公開。

クリエイティブクラスの仕事の時間を大いに奪ってゆく Twitter。
今年から文化庁メディア芸術祭からもオフィシャル Twitter @JMediaArtsFes が立ち上がっています。

そして、本日12月3日午後3時に今年の文化庁メディア芸術祭の受賞作品が決定します。
これから2月の本祭まで、文化庁メディア芸術祭の盛り上がりを共有するため、私、クリエイティブクラスター理事長の岡田智博がハッシュタグ #JMAF2009 をつけようと、つぶやき提案したところ、文化庁メディア芸術祭の公式 Twitter にて採用されることになりました。

メディア芸術祭を盛り上げるつぶやきを共有するなら、見るのなら、つぶやきに #JMAF2009 を書き込んだり、 #JMAF2009 で検索すると出てくるようになることでしょう。

年に一度のメディア芸術のお祭りとクリエイティブを大いにつぶやいて楽しみましょう:

RT: @JMediaArtsFes この先予定している、受賞作品発表や受賞作品展の情報をつぶやくにあたり、ハッシュタグを #JMAF2009 にしようと思います。@OKADATOMOHIRO さん、ご提案ありがとうございました。

PS: 私こと岡田智博のTwitterネームは @OKADATOMOHIRO です。サイト右上の @TOMOHIROOKADA は英語でのクリエイティブクラスター情報発信用のネームです(クリエイティブクラスター先に押えられてしまっていました)

10分で見る全国の「ゆるキャラ」

今年も、ひこにゃん以来の市民参画型コミュニティビジネスとしてのキャラクターづくりが、街に活気を与え、集客をもたらすという奇跡の城下町彦根を舞台に「ゆるきゃらまつり in 彦根 ~キグるミさみっと2009」が10月23日より25日まで開催されました。

今回、新たに全国から集まった参加キャラクターを一堂に見せるオープニングイベントが開催されたのですが、キャラ集合の姿のそれはそれで、「ゆるキャラ」の命名者みうらじゅんをして「現世の極楽を見た」とばかりに凄かっただが、感動なのは最初に上映した彦根に集合した全168種のキャラクターを一気に紹介するビジュアルプレゼンテーション。そのハリウッドばりの壮大な煽りぶりにいやーいいモノを見せてもたらったと感嘆する私。

その感動と全国に存在する地域ゆるキャラの全貌をたった10分で見ることが出来るまたとないコンテンツとして、そのプレゼンをみなさまとぜひとも共有できればと思います。

それにしても彦根のひとたちの凄いところは、この「まつり」の仕切りから、ひこにゃんブームの火付け役になった市役所職員の飼い主オフィシャルブログ、それにこのつぼをおさえたビデオなど、代理店や中央の業者を使わずに実現させているところにあります。

地域の人々に才能と遊びごころとメディアマインドがあれば、ここまでのことを全国を相手にできるということを示してくれる彦根のみなさまです。

応援の気持ちで10月27日発売の週刊アスキーにて、キャラ津波の写真を添えてニュースレポートさせていただきました。

ロボットアートの魅惑

岡田 智博

今、横浜の街で開港から150周年を記念した「博覧会」が開催されている。
横浜という大都市が全力を傾けて行う博覧会となると、様々な大企業が様々な最新技術をもとに楽しませてくれる大スペクタクルを想像するかもしれない。
この「Y150」と名付けられた「博覧会」には華やかなPRが繰り広げられる一方で、先ほどあげたような、ここでしか見ることの出来ないとても贅沢なスペクタクルは存在せず、まったく別のスペクタクルがこの博覧会の大きな「目玉」となっている。

横浜の公道で大暴れ。ラマシーンのロボットアートパフォーマンス

既に横浜の博覧会といえばということで噂にのぼっているかもしれないが、巨大な「クモ」のロボットがそのスペクタクルの目玉となっているのだ。
しかしここで残念な話をしないといけない。
今、2400円の入場料を払って、その「クモ」を見るよりもすごいことが、既に無料の観覧料で横浜の街の中で出没していたのである。

巨大なロボットが都市を劇場に

この「クモ」のロボットを製作し操るのは、フランスのナント市に拠点を置く、「ラ・マシン」というカンパニー。もともと「ロワイヤル・ド・リュクス」という大道芸カンパニーのためにマシーンを制作し、提供してきたチームが独立したのが「ラ・マシン」。
フランスの大道芸やサーカスは、私たちが日本でイメージするものと違い、同じフランス語圏であるカナダのケベックに本拠を置く「シルク・ド・ソレイユ」のように、様々な舞台においてスペクタクルを展開する総合芸術としての色彩を持つものが存在している。「ロワイヤル・ド・リュクス」は、都市を舞台に人や動物を模った巨大な人形が、都市の観衆に筋書きを明かす事無く演じるスペクタクルドラマがその「芸風」である。

巨大な少女が歩き回り、実物以上の大きさの象が調教される。そんな壮大な世界が現実のものとなって、人々の日常の中にある街を数日にわたって席巻する。
その「ラ・マシーン」が横浜にやって来た。

Machine Robot having sex in Yokohama 2009

4月17日、埠頭に届けられた謎の巨大部品が外国人たちの手で組み立てられ、高さ12メートルにもなる巨大な「クモ」となって覚醒した。謎の外国人たちは、そのクモに乗り込み、調教を始めるも、火を吹き、霧を吹く、「暴れ蜘蛛」と化し、なだめるのがやっとの様子。
そのクモが調教され、最後となる19日。遂に横浜の都心臨海部を練り歩いた。
別々に街を歩く2匹のクモ。150年前に生まれた旧市街地を何十人もの人間に調教され、楽団に先導され、調教されたのか火は吹かず、時折霧を吹き出しながら、ゆっくり歩き回る。
日本で初めてともいうべき西洋的な広々としたストリートである「日本大通」のクラシカルな建物が並ぶ一体で2匹は邂逅を迎え、まるで交尾をするかの動作を。
その後、夕暮れの中、2匹は海へと戻ってゆくのであった。

La Machine at Yokohama 2009

この光景は「Y150」のプレ企画として行われたもの。まさに無料でおなかいっぱい楽しめたスペクタクル。
いまいち認知が乏しかった「Y150」。このハプニングによって、日本中のメディアに知れ渡ることになるのであった。

ところが4月28日からの「Y150」にあって、ベイサイドエリアの会場の中で、そのクモはまるで囚われたかのようにしおらしく、それも一匹で佇んでいる。1日5回、調教されたかのように火を噴くこともなく、おとなしく振舞うのみである。そんな囚われのマシーンにアウラを感じることが出来るだろうか?

あの4月の日々のようなスペクタクルな動きと演出を実現するためには、100人近い「調教」と演出そしてメンテナンスのためのスペシャリストがラ・マシーンには必要とされているという。それだけの大人数を150日以上にわたり配置し、日本らしい高い安全策を課すとなると、ハイテクパビリオン以上に維持コストがかさむことは確かであり、残念ながらしょうがない選択かもしれない。

ロボットがロボットをいぢめ抜くことで表象する1999年から先の悪夢

世紀末マシーンサーカスSRL 1999 看板テクノロジーに立脚し、そこから生まれる新たなアイディアとビジョンを競い合うメディアアートがある一方で、創造から生まれた機械の存在を通じて、今ある私たちがその輝かしい、ともすれば悪夢のような可能性に思いをはせるスペクタクルの舞台としてのメディアアートも存在する。そんな舞台まわしのためのメディアアートには、技術的な先駆性との関係ではない、人間にとってのイマジネーションとしての先駆性との関係を問うてくれる。

そんなイマジネーションとの関係から悪夢を与えてくれる、ロボットによるメディアアートも存在する。1999年、世紀末の東京を飾る、悪夢のようなロボットたちによるマシーンサーカスが渋谷の公園で開催されたのだ。

こちらはサンフランシスコを拠点に1978年より活動を続ける、サヴァイヴァル・リサーチ・ラボラトリーズ(SRL)によるもの。ガレージで生み出された様々なロボットが火炎あり、発射ありの問答無用の相互破壊のバトルを繰り広げる、悪夢のようなショーである。
まさに何時、燃え移るか、破片が飛ぶかわかったものでなく、安全管理を仕切れるのかということもあり、なかなか正規のショーとしてのスペクタクルが成立することが難しかったのであるが、世界の中でも革新的なプログラムを送り出し続けるメディアアートギャラリーであるNTT-ICCのリニューアルを前にまさに「世紀末マシーン・サーカス」のタイトルのもと、1999年12月23日の夜に国立代々木競技場の空き地を会場に敢行された。

SRL マシーンサーカス@代々木公園 1999  SRL Machine Show in Tokyo 1999
サバイバルリサーチラボラトリース世紀末ショー(主催NTT ICC)1999

次から次へと襲う側と襲われる側に分けられたロボットたちが、焼かれ、打たれ、破壊の限り尽くされた1時間は、まるでディズニーランドのような明るいテンポの電子音楽の中で、ロボットへの憧憬を打ち砕く、ロボットがロボットをいぢめ尽くす暴力が支配する、悪夢のような空間であった。
ロボットを操縦するSRL主宰のマークポーリン(写真:岡田智博)1999ほとんど広報がされない中で、安全のための定員を超えた観衆に包まれ、会場の外でも公園の木によじ登るまでの野次馬まで溢れたその夜は、まさにイラクやアフガニスタンなどで繰り広げられたマシーンが人を襲う、すぐ先(=現在)の未来のテクノロジーによる何時、私たちも襲われるかもしれない、いたたまれないテクノロジーからの暴力を剥き出しで見せつけてくれた。

これらのマシーンは偽物ポンコツロボットなのか?

今回取り上げたスペクタクルなロボットアートの作品たち。ラ・マシンのマシンには巨大な車輪や支えがつき、SRLのマシーンは鉄と木材の巨大ながらくた達である。各地で様々な二足歩行ロボットが生まれ、ロボットテクノロジーの粋を競い合う今、これらのローテクなロボットたちをロボットアートとして評価することに違和感が覚える人がいるかもしれない。
「そんな構造物など偽物のロボットだ」と。
しかしどうだろうか?
ラ・マシンのロボットたちは、足や手、触覚などが、まさに新たなリアリティのようなディテールと艶めかしい動きの演出を人形師ともいうべき数多の操作者がまるでモビルスーツの戦士のような近未来的ないでたちで操縦する、美と驚きを突き付けるための機能に特化したロボットではないのではないのだろうか。
SRLのロボットたちは、片や破壊のための攻撃に特化した機能として、そして片や破壊されるための弱者としての機能として特化された存在なのである。
テクノロジーの評価だけでメディアアートを見ることはある一つの視野でしか評価できない。アートがアートである所以、それは様々な価値を味わい、意識を研ぎ澄ますことではないのだろうか。
これらのロボットたちが織りなすスペクタクルは、まさに「ただテクノロジーに乗っかっているだけでうちら大丈夫なの?」と、意識を揺り起こさせてくれる存在なのだ。

キャンペーンキャラクターの不測の事態により、パニック状態に陥った、国家をあげての「地デジ」推進キャンペーン。

今では元となった国民的キャンペーンキャラクターの「不祥事」から3日もたたないうちに代わりの新キャラクター「地デジカ」が発表になった。

発表されるやいなや、インターネット上ではそのゆるキャラすらも超絶した姿を前に、日頃マスメディアをエサに「メディアリテラシー」を趣味で鍛えた人々が、その有り余るクリエイティビティーをぶつけているようだ。

その上、民放連よりもいち早く「チデジカ」ドメインを入手、オフィシャルサイトまで作り上げてしまった。

http://chidejika.jp/

インターネットの中のひとのメディアリテラシーが、マスメディア人のネットリテラシーを上回ってしまった瞬間である。

そのぶつけっぷりは、実際にアクセスしてご確認のほど。

また、集合知のクリエイティビティのカウンターとしまして、ダビング規制にノーをつきつけるリテラシーの高い人々が集う、2ちゃんねるのコミュニティから生まれたコモンズなアナログ放送推進キャラクター「アナロ熊」もごらんください。 http://www12.atpages.jp/analoguma/

      ┼╂┼
    ∩_┃_∩
    | ノ      ヽ
   /  ●   ● |
   |    ( _●_)  ミ    
  彡、   |∪|  、`\
  / __ ヽノ /´,>  )
 (___)   / (_/
  |       /
  |  /\ \    アナロ熊
  | /    )  )
  ∪    (  \
        \_)

 

 

文・写真 = 岡田 智博 yokohama@creativecluster.jp


世紀を跨ぐサイネージ

今、私は上海の外灘のビルの上から黄浦江を眺めている。

外灘は「バンド」という名前でよばれ、私の師である建築史家の藤原惠洋の名を若き日に広めた書「上海―疾走する近代都市」(1988) によると、西洋列強の中国大陸進出の足場として、黄浦江沿岸にそれぞれの国や資本の拠点たるビル群を並びたてた、まさに本国と直結した植民地支配のためのハブの機能を果たしたストリートである。19世紀から戦前にかけて、各国から乗り込んできたエクスプローラーたちにとってその水際に聳え立つビルディング群の威容は、高揚感と安心感をもたらしてきたに違いない。そして、この地にある中国人にとっては、圧倒たる存在感がのしかかる一方で、世界の最先端を空気として触れる、まさに建築がもたらすサイネージ空間であったのだ。

その外灘から黄浦江の向こうにある浦東地区を眺める。昔は「浦西(上海の市街地部)のベッド一つの方が、浦東の一部屋よりまし」とまでよばれ、田園地帯が広がっていた一帯。河から見上げるかのような外灘の威容の一方で彼方の地であった浦東。そこには「上海森ビル」「上海ヒルズ」などと囃されるドバイがもたもたしているので未だ世界一の高さを誇るビルを筆頭に聳え立つ、21世紀の富の威容が建ち並んでいる。黄浦江に面した、CITIBANKの拠点ビルの一面は全てがスクリーンで彩られ、巨大な映像を外灘に向けて表示し続けている。その隣にあるビルもまた壁面がディスプレイに。世界金融危機による広告量の低下なのか、公告少々、それに来年開催の上海万博のスローガン、デモ映像の組み合わせ。黄浦江の上には巨大なLEDモニタを浮かべたサイネージ船が行き交っている。
植民地都市時代、上海に訪れるゲートウェーとしての河からの外灘の威容は、今や外灘から未来を投射する浦東のディスプレイ化へと変革を遂げている。

今まで、日本の都市の景観はネオンや公告に覆われていて、欧州の都市や上海のように景観が保たれてない、下品なものであると、日本人の「識者」といわれる人々の声として、多くいわれ続け、現在、極めて厳しい屋外景観への配慮が多くの場合、求められるようになり、そのことがサイネージを日本の街に取り入れることをときに難しくしている。その一方で、景観にうるさいとされている、海外のほうが積極的にサイネージを取り入れている皮肉。こうでなければならないという原理原則やそれに外れるとすぐいちゃもんをつけたがる日本と異なり、いいものをどんどん取り入れることでバージョンアップを果たして行こうとする世界の大都市たちの進化のひとつの対比が、上海の黄浦江を挟む世紀を跨いだ姿ということができるだろう。

今、私が河を挟んで浦東の巨大なサイネージを眺めているのは、バンドにそそり建つ1916年に建てられたネオゴシック様式のビルをマイケル・グレイブスがリノベーションした、スーパーブランドのみを集結させた空間のトップにあるバーのデッキ。まさに都市のバージョンアップの劇場を目の当たりにしているということだろう。

でも上海でもデジタルサイネージには何かが足りない

上海は「創意都市」というキーワードの中、クリエイティブ産業をビジネスの中心に置こうと街をあげて邁進している。デジタルサイネージはそのビジネスにとってのキーの存在、地下鉄の駅や車両の中には広告を目的としたビジョンが設置され、多くのタクシーの中にはタッチパネル式の公告ディスプレイが埋め込まれている。タクシーでの移動の中、いきなり原宿のH&Mのギャルソンとのコラボレーションで沸く映像が目に飛び込む。セレブのシーンを追っかけるというタイアップ公告だ。
浦東のビルの壁面が、地下鉄が、そしてタクシーに、デジタルサイネージが溢れている上海。しかし、世界の何処でもがそうであるように、何かが足りないのだ。

ここでも足りないのはクリエイティブ力

上海市政府と地元共産党の文化・メディア行政の支援のもと、一昨年より巨大なメディアアートのフェスティバルeArtsが毎年開催されている。eArtsは、メディアアートを上海に広げることで、メディアアートから生まれる可能性を軸にメディア文化とビジネスを発展させようとしているフェスティバルだ。
「私たちはメディアアートで稼がなければならない」eArtsの企画広報の担当者はこう語りかける。助成金で祭りをすればいいということではなく、そもそも上海の文化と産業の可能性として、メディアアートの可能性に賭けたのだから、祭りを糸口に産業を創出して、そのことでアーティストを上海で活動することで潤し、文化を高め、助成金すら要らないようにしなければならないのだ。

彼らによるとデジタルサイネージとこれらチャレンジに富んだメディアアートによるクリエイティブの接点は今の上海には存在しないという。流す映像が求められても、そのサイネージの魅力を高めるためにクリエイティブが挑戦する企画は想像できなかったという。

デジタルサイネージという都市の中に存在する、柔軟なメディアだから出来る可能性。

その可能性をかたちにすることで、よりデジタルサイネージをOOHの主役へと具体的にまつりあげる、企画者の存在、プロデューサーの存在は、まさにこの上海にも存在していなかったのである。

この企画者やプロデューサーの存在の欠落が、世界中のデジタルサイネージの本当の意味での活きた普及を遅らせているように思えてならない。その世界中とは日本を含めてのこと。この一年にわかり、クリエイティブの可能性からデジタルサイネージの可能性を語ってきたが、ビジョンが増え続ける一方で、その価値を高めるクリエイティブな歩みは残念ながら遅々として進まないのだ。

大阪からはじまるメディアアートによる都市の中のコミュニケーション

とはいえつまらないと悲観しているばかりではいけない。

最後にその中でも生まれる新たな可能性の萌芽を示しておこう。

日本最大規模の再開発として進行中の大阪駅北口開発。その中において準キー局である関西テレビが中心となってサイバーアートのミュージアムとプロダクションセンターが準備されている。この準備の流れの中、大阪そして関西にメディアアートによるハプニングやサイネージをクライアントと人々とのコミュニケーション手段として広げようとする動きが始まった。

「不況だからこそ、地方のメディア業界が特に厳しいからこそ、クリエイティブに考えて、大阪でうける新たなメディアを開発しなければならない。それが都市の中のメディア、メディアアートなのだ」と担当プロデューサーが語るその企画の第一弾が、なんばの巨大なショッピングセンターでバレンタインデーの期間に開催された。

「レーザータグ」という米国のメディアアート集団が開発した、屋外に巨大なメッセージを書き込めるシステムを用いて、カップルたちが愛のメッセージをショッピングセンターの壁面に描き込んだのである。メディアアートで大阪を盛り上げたい、そのためにこれから国内外のメディアアーティストをフィーチャーして、様々なハプニングやコミュニケーションを関西で起こしてゆく。クリエイティブが持つパワーは、今までのメディアにおけるビジネスではない効果をもたらし、クライアントである最大手携帯キャリアにとっても満足行く、そしてこれからも継続してゆきたいという結果をもたらしてくれた。

これから大阪を中心に関西でメディアアートをベースとしたコミュニケーションが都市の中に増えてゆくだろう。そして、そのことで大阪がメディアアートでおもしろい街だという声が全国にそして世界に広がってゆくことが容易に想像できることである。

メディアアートと都市の中のコミュニケーションが街をおもしろくする。

そんな当たり前のことがデジタルサイネージのビジネスをクリエイティブに加速化させるのは、もしかしたら遠くない将来なのかもしれない。

かねてから私、岡田智博が全国各地のクリエイティブ産業を目指す地域での講演で訴えてきた「クリエイティブの地産地消」。

クリエーターと行政、アート・ポップカルチャー中間支援者、大学が連携してつくる「仙台クリエイティブクラスター」を推進するための材料として、昨年(2008年)9月にせんだいメディアテークにおきまして、その担い手のみなさまの前で、その取り組みのひとつのキッキオフとしてお話させてもらいました。

新たな文化風土の創造のために
Fes Lab Cafe SESSION-01
http://feslab.net/session/okadatomohiro1.html

その仙台から、クリエイティブの「地産地消」をかたちにする取り組みが始まろうとしていることが発表されました:

「仙台市、地元企業にデザイナー派遣 パッケージなど改善指南」
NIKKEI NET :地域経済 2009年2月24日
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20090223c3b2303j23.html

芸大の熊倉純子先生からのお誘いでYCAMの開館5年を考える会を見に山口へ。
ちょうどその2日後に営業運転を終える最初の新幹線0系に新山口から博多まで乗りました。(平成20年11月28日)

技術立国日本。常に最新でいいものをつくり続ければ豊かさを享受できると考え、実現してきた時代の空間を改めで体に染みこませました。
生きているうちに憧れは歴史になる。その続いていながらも変わってゆく時代の残酷さを思わずにはおりません。

そんな余韻を撮りおろしの YouTube にて御覧ください。

今回の撮影もFOMA。
音声は悪いのですがモバイル撮影のクオリティは誠にいいものです。これでさくさくドキュメンタリーができますね。マイク部分が強化したらビデオカメラ要らずといえます。

横浜静脈:創造都市を水脈から覗く

横浜トリエンナーレの開催とともに様々な街でアートが展開した2009年秋のヨコハマ。

その期間だから見える景色もあります。

さる11月22日、黄金町バザール(特殊飲食街を「浄化」するためにアートのチカラを導入した街づくり型文化祭)と横浜トリエンナーレの会場とという2つの異なるアートイベントを結んだ水上タクシーに乗りました。

そこで見た、いつもはボラしか見ることがないようなランドスケープを映像にしてみなさまにも公開。
旧赤線地帯(黄金町)、飲み屋街(野毛) 、そしてみなとみらいともっと未来へと続くランドスケープ(森ビルによる北仲開発)といった、今までとは違う隠された横浜の風景をお楽しみください。(途中ハプニングもあります)


Yokohama Vein - Hidden urban landscape from art festivals water taxi
- アート水上タクシーから見る横浜の静脈風景 2009 Fall
http://jp.youtube.com/watch?v=WRxW7tmSq-A

この映像、全て手持ちの携帯電話機 DoCoMo P905i で撮影したものを編集しました。
アナログTVなみの画質と手持ちでこれは十分、携帯でドキュメンタリーがいけそうです。

In English Language News and Contents is here

Creative Cluster 2009 Autumn Topics

11月21日 大阪初の「ぺちゃくちゃ」 大阪のど真ん中・大阪市役所ホールで開催
大阪市のシティブランド「クリエイティブストリームOSAKA」立ち上げに協力

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